嵐のピッケル侍
何でかな? かみさんが文句を言ってる 帰りなのに登るの?
男岳の分岐点から下って来た様に尾根まで登らなくてはならない
お〜っ 北斜面は残雪が沢山ある
だから こんな光景を青い空 緑の山々をバックに見たかったんだ
さぁ 後は降りだ 馬の背も振り返らず 歩こう歩こう どんどんゆこう〜
尾根も良いぞ 気分が高まる
横長根もこんなんだったら楽しかったんだけどな
んっ風が凄い大焼砂だ 予想以上に凄い 西からの吹き上げ
時折 体を持ってかれそうな風と それに乗った矢のように刺さる雨
レインコートの右顔や右腕が耐水圧に負けて冷たい
どうせクレジットならゴアにしとけば良かったかな 価格はこれの3倍だけどね…
登りコースの大焼砂と違い 両側に杭が刺さりロープが張られている
落下防止とコマクサを荒らされないようにかな
なんとなく横目で群生しているのは分かっていたが
じっくり見るなどそんな余裕は何処にもない
道は海岸の様な足が取られる砂地の下り坂
崖の降りは考えられないと思ったが ここの登りも考えられない
とりあえず5人組ツアーさんの後をついて来て正解だった
通った事のない道で この先どうなっているのか
ある意味危険を感じる状態で
よくかみさんが何も言わずついて来たと感心しているくらいだ
正面から人が登って来る 両手を振っている 助けを呼んでいるのか この先無理なのか
登山ピッケルを振りかざし刀を腰に収める仕草をしている 誰?
しかも透明のレインコートに長靴だし…
自称コマクサ大好きな秋田のガードマン
オバちゃんの様な ある事ない事同じ事を
口から泡を吹き出しながらこの環境で聞かされ10分?
無事帰ってきて欲しいけど もう会いません様に…
やっと大焼砂が終わり草木の多い横長根に入るや否や風は何処えやら
あとは単調な下りだが雨が降った後の水溜り道
でもさすがにゴアだけあり足は濡れない 気にせず どんどん行こう〜
とにかく休憩なしだ
GPSを使わなくても登る時見た花達が大体の位置と時間を教えてくれる
しかし終盤の横長根終わりからの階段下りは予想はしていたが かなり辛い
ふくらはぎ 外太もも 腰 痛いのを我慢して無言の時間
雨水が登山道を流れない様に側溝や土盛りで何箇所も手が入っている 有難いもんだ
温泉の香りがしたらゴールは間もなく ちょうど2時間で12:20下山
お疲れ様でした 平らな道がうまく歩けない
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